奥深い造粒の世界

乾式と湿式

粉末のものを固めて粒状にすること。
造粒は大きく分けると湿式造粒と乾式造粒があります。
湿式造粒とは、水またはバインダーを溶解した溶液を粉末に滴下、もしくはスプレー噴霧し湿潤させその水分を乾燥し粒にする方法です。
乾式造粒とは粉状の粉末をそのまま、もしくは前処理を行い圧力をかけることで粒にする方法です。

微細粒子からなる粉体を固めて粒状にすること。でき上がった粒状体に対しては,その製造法や技術分野により,ペレットpellet,顆粒(かりゆう)granule,マイクロカプセルmicrocapsuleなどの呼名がある。造粒についても,ペレットまたはペレタイジングpelletizing,顆粒化granulationなどの用語が使われている。練炭の製造などに古い歴史をもつブリケット化またはブリケティングbriquettingも一種の造粒技術である。

世界大百科事典 第2版

一般に,粉末,溶融液,溶液スラリーなどの原料を,均一な形状と大きさの粒状物にする操作をいう.また,造粒を単に粒をつくるという広義な意味にとれば,噴霧乾燥,連続晶析などもこれに含まれる.造粒の目的は,たとえば食品,製鉄,医薬あるいは化学肥料などの分野によってそれぞれ異なるが,粒状物は粉状の固体と比較して,溶解性,通気性,均一性の保持に一般的にすぐれている.製鉄では,原料鉄鉱石の粉末を回転ドラムによって粒径を増大させ,凝集造粒物として製鉄原料にする.医薬品などでは,粒子の表面をほかの物質で覆う被覆造粒法が行われる.一般に,粒子を凝集させるには,湿潤粉末を原料として用いるか,あるいは乾燥粉末に液体を噴霧して行う.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版

セラミックボールの概要が知りたい方は下記のページをお読みください。
こちらのページにはセラミックボールが使用されている業界、どの様な種類ボールがあるのか
試作や委託製造についての説明を記載しています。

造粒の比較評価と
ランキング

綺麗な粒が作りたいときに

マルメライザー

綺麗な粒が作りたい場合にオススメの機械です。水平造粒の代表的な機械。

ボール型製品の造粒用に使用します。ボールの形状がきれいに整いやすく大きさのコントロールがしやすいのが特徴です。使用する機械のサイズにもよりますが一般的には機械を使うために量産機であれば数十KGは原料が必要となります。

小さな粒が作りたいなら

ヘンシェルミキサー

出展:有限会社ワークシップhttps://www.worksip.co.jp/stock/%EF%BD%8D%EF%BD%98%EF%BC%8D%EF%BC%95%EF%BC%97%E3%80%80%E3%83%98%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%9F%E3%82%AD%E3%82%B5%E3%83%BC/

0.1㎜~の造粒に対応したヘンシェルミキサーのような造粒機など用途により種類が豊富です。
Φ0.1㎜~Φ2㎜ほどの大きさから造粒は可能ですが粒が小さくなればなるほど費用は高くなります。

画像の様に動きの違う羽が2種類ついているのが特徴です。

押出造粒機:粒の形状より加工コストを下げたい

出展:田島化学機械株式会社 https://www.tajima-kk.co.jp/cgi_local/view_list.cgi?db=19&fr=76&to=90

圧力により原料を網のようなものから押し出し粒にするタイプ。粒の大きさが不揃いでも良い場合やより安価に製造したい場合におススメ。きれいな丸にはならないので、円柱状かつ粒の大きさが不揃いでも良い場合に使用します。

整粒をしなければ加工スピードは速いのでロットの数量次第では安価に加工が行えます。

Φ30㎜を超える大きなボールも成形可能

パン型造粒機

出展:田島化学機械株式会社 https://www.tajima-kk.co.jp/cgi_local/view_detail.cgi?db=19&id=1900092#../stock/19GR/gr134_2.jpg

パンの傾斜回転による回転造粒、傾斜を付けれらるため効率よく造粒をすることが可能。糖衣機と原理は同じですが丸にするためにパンの構造は違います。
Φ5~Φ45mmの球体状製品を連続造粒可能。連続して生産が可能なため数百KG以上の量産にも対応可能です。

ボールの種類の違いによる、効果・効能を知りたい方は下記のページをお読みください。

ミクロンレベルの造粒

スプレードライヤー

加圧成型用の原料を製造するための設備で、D50で50ミクロン前後の顆粒を大量に製造することができる設備です。設備を稼働させるためには少なくとも500kg程度は原料が必要になる場合が多く、少量生産には向いてないですが、大量に製造する時にコストを抑えることができます。

球状化 プラズマ溶融

数ミクロン~数十ミクロンの原料を球状化する加工法です。電力消費が激しいため加工コストは高額になりがちで販売する際の価格が1㎏あたり数千円~数万円程度の価格がつかない業界ではコスト割れを起こしてしまいます。高温で原料を溶かしその落下による重力で球状化にする特徴があるため、金属なども造粒可能でMIMの原料の加工に使用されることもあります。

プラズマ溶融ではほとんどの原料が球状化可能です。

シリカの球状化なら

ガスアトマイズ

原理はプラズマ溶融と同じで、高温にすることで原料を溶かしてその落下重力で球状化します。

プラズマ程高温になりませんが、数十トン以上のシリカ系原料をミクロンレベルで球状化したい場合にオススメです。加工ロットが大きいため一般的に使用されることはほとんどありません。

タブレットタイプなど食品や薬品に多い

打錠機

円柱状ペレットや薬のようなタブレット形状を作るなど種類により様々ですが、数ミリ程度の形状のペレットやタブレットを製造する場合に使用します。原料が乾燥していて粉体である必要があるため、前処理が必要になる場合が多いため造粒より割高になりやすいです。

メリットは同じ形状の物を量産できると言いう所ですが、金型の製造費も必要になる場合がありますので試作費費用は高価です。

豆炭などのプレス造粒

ブリケットマシーン

イメージしていただくと分かりやすいのが豆炭のような形状です。割と大きな子供の手のひら程の形を来るれる物もあります。一般的に使用するものにはあまり使われませんが、鉄鋼関係の材料を加工する際に良く使用されています。

基本的に大量生産品を作る場合に使用しますので、試作、少量生産には向きません。

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